「令和5年度決算審査特別委員会」質疑応答のご報告

 過日、令和5年度の決算内容について審査を行う「令和5年度決算審査特別委員会」が開催され、私からは5点について提言を実施いたしました。 今回は地域コミュニティのさらなる向上策、教育関係に重点を置きました。長文になりますが質疑応答の様子をご報告申し上げますので、是非最後までご覧ください!

【総務費】災害協力隊への貸与被服について(答弁者:防災課長)

Q:
 区内では前年度実績で331隊の災害協力隊が活動しており、私自身も居住するマンションで結成されている災害協力隊に加入している。
 災害協力隊に加入した隊員には本区からヘルメット、帽子、上下の防災服、安全靴、腕章が貸与されるが、防災服は大変立派なモノであるがゆえに通気性が悪く、平時に着用して活動するには使い勝手が悪い。
 そこで、例えば袖部分が脱着できるウィンドブレーカーで背面に災害協力隊の名入れをするなど活動しやすい素材に変更して、同時にコストを削減してはいかがか。
 なお、従前の貸与品を強く希望される隊員には従前とおりに貸与するべきであることを申し添えておく。

A:
 昨年度の貸与被服の執行額は4,272,950円(1人当たり約16,000円)であり、隊員からは「必要だ」という高評価をいただくこともあるが「動きづらい」、夏では「通気性がいいものを」などのご意見を伺うこともある。
 マンションの災害協力隊はマンション内での活動が主になると考えられ、隊員の皆様の意見を踏まえながらより良いスタイルを検討する。

(感想)
 貸与被服が重厚な長袖・長ズボンであることは、発災時の活動時に隊員自身の身体を守る際に必要であると考えますが、災害協力隊の隊員が、例えば火災発生時に積極的に火の中に飛び込んで行って消火活動をすることなどは考えにくいため、防災訓練時など、普段使いできるモノへの移行(新設)を要望いたしました。

【総務費】花火大会事業について(答弁者:地域振興課長) 

Q:
 本区では地域コミュニティの活性化を図る目的で荒川・砂町水辺公園で江東花火大会を開催し、前年度は約1億7千万円が支出されている。本事業は地域住民にとって大きな恩恵がある事業で高く評価をする。
 他方、「伝統的かつ新しい下町文化形成の一助とするため、隅田川花火大会の事業費の一部を負担」という名目で1,663,594円もの支出がされているが、本支出によって幅広く本区区民に直接もたらされる恩恵は皆無であり、無駄な支出と言わざるを得ない。
 よって本支出は廃止し、例えば本区臨海部に位置する“海の森公園”で新たに本区主催の花火大会を開催するための調査費に充てるなど、本区区民に直接恩恵がもたらされる使用使途へ変更するべきである。
 海の森公園であれば、近年各地で問題となっている花火大会開催時の“すす”飛散の問題や、騒音などの苦情についても排除できると考える。

A:
 具体的なきっかけは不明であるが、昭和53年の第1回大会から本分担金を負担している。下町の夏の風物詩として親しまれてきており、開催にあたっては隅田川を挟んだ関係区・機関で協力しあって安全な運営に取り組んでいる。
 よって、現段階において廃止する予定は無いが、適正な負担割合になるよう努める。
 なお、ご提案の海の森公園での開催は居住者がいないため燃えカスや騒音の問題は少なく、また周辺警備に掛かる負荷も低いと思われ、今後の検討課題とする。

(感想)
 隅田川花火大会開催時には我々区議会議員にも招待状が届きますが、私は過去ご招待をお受けしたことはありません。私が特等席で花火を観覧しても、本区にもたらす恩恵は皆無であると考えているからです。
 事実、少なくとも私が在職中の過去10年間では、ご招待をお受けしたことによる新たな知見に基づく花火大会事業に関する提言が本区議会内で実施された実績は無いと記憶しています。よって、このような自治体同士のお付き合いによる支出や、議員に対する待遇は要りません。
 私は、かつて中央区主催で開催されていた東京湾大華火祭が立ち消えてしまっている現在、湾岸エリアの地域コミュニティのさらなる活性化はもちろん、マンション資産価値の維持・向上のためにも、本区主催の湾岸エリアでの花火大会開催を引き続き提言いたします!

【総務費】自治会の認定基準について(答弁者:地域振興課長) 

★マンション自治会の認定基準
一定期間の活動実績があり、当該マンション世帯数の半数以上の世帯が加入していること。
<本区認定町会・自治会に対する各種補助制度>※一部を抜粋
・広報紙発行事業補助金(同一年度内で6万円以内)
・掲示板設置補助金(経費の50%以内、10万円限度)
・環境対策事業補助金(同一年度内で6万円以内)
・地域活性化事業補助金(20万円限度)
・江東区コミュニティ助成事業補助金(250万円限度)★事業採択の場合
・事務委託料の支払い(例:400世帯加入の場合で年265,000円)

Q:
 区内では前年度実績で275団体の本区認定町会・自治会が活動しており、地域住民の相互親睦と福祉の向上及び本区との協力体制を図るための支援として、広報紙発行補助やイベント開催費用補助など、約1億2千万円が支出されている。
 関係者の皆様方のボランティア精神には頭が下がる思いであり、心より感謝申し上げます。
 他方、認定を目指しながら多様な活動を継続されている自治会もあるが(豊洲6丁目のスカイズ自治会様・ベイズ自治会様など)、認定されるまでは本区から上述のイベント開催費用補助などを受けることができず、現状は役員の皆様を中心に手弁当で運営されている。
 そこで、地方自治法には自治会に関する法的な規定は無いので、地域活動に馴染みの薄い外国の方や投資用の分譲賃貸として居住されている方が多く、認定基準までの加入者数積み上げが困難と推定される(私見です)“大世帯のタワーマンションは、その認定基準を例えば100世帯以上としたり、あるいは加入率を30%以上に引き下げるなど、住環境の現状と時流に沿った柔軟な対応を実施するべきである。
 認定基準緩和(新基準策定)の際には別途新たな補助制度(金額)を設けたり、あるいは認定町会・自治会に提供している既存補助制度を一部制限するなどしてでも、その自治会活動に報いるべきである。

A:
 基準を満たした認定町会・自治会と本区は事務委託契約を締結し、民生・児童委員や選挙投票所の立会人の選出、防災・防犯対策にかかる事業の対応など、多岐に渡る重要な役割を担っていただくこととなる。
その対応に当たっては自治組織として民主的に意思決定を行う必要があり、多数決の原則により、認定には世帯数の50%以上の基準を定めている。
 なお、例示された未認定自治会の活動は本区として認識しており、ご提案の新たな認定基準の策定について、他自治体の動向など情報収集のうえ検討する。

(感想)
 例示した多様な活動を継続されているスカイズ自治会様は1,110世帯中362世帯が加入されているにもかかわらず(加入率:32.6%/本年9月30日現在)現行の認定基準未達のために各種補助制度が利用できない一方、区内の最少世帯数の認定町会・自治会は11世帯でありながら各種補助制度が利用できることは明らかに不合理です。
 よって、例えば民主的な意思決定が不要な広報紙の発行などは現行基準では認定されていない自治会にも補助をするよう、早急なる代替策の検討と実施を強く要望いたしました。

【教育費】小1支援員の通年配置について(答弁者:指導室長) 

Q:
 小学校1年生の全152クラスに小1支援員が配置され授業の支援をしているが、夏休み前までの配置である。
 夏休み明けは、特に小1は夏休み期間中に家庭帰りしてしまい学校生活への復帰が困難となるケースが多くなる時期でもあり、配置期間を延長するべきである。
 また、小1支援員として勤務する方々からも、安定した収入確保のためには通年で勤務したい、との声をお聞きしている。
 よって、配置期間を通年にすることが児童、保護者、支援員、学校の全てにとって良いと考える。
 なお、人件費の面でいきなりの通年配置が難しい場合には、段階的にまずは前期末※(本年は11/8)までの配置延長をし、その効果を検証されたい。
 ※江東区は前期・後期の2学期制

A:
 小1支援員は新入児童が学校の生活に適応できないために起こす問題行動、いわゆる小1プロブレムの対策として、学校生活に慣れる7月までの配置としている。
 夏休み明けは多少の落ち着きのなさは否めないが、学習支援員など、区独自の他の人的支援策で対応している。
 なお、通年配置の場合には追加報酬が約1億3千万円、前期末までの場合は約2千2百万円が必要となる。

(感想)
 外国籍や情緒不安定児童が増えてきており、小1支援員は重要な役割を担っています。
 夏休み明け以降は学習支援員などが本来の業務外のその対応に当たることも多いとお聞きしておりますので、まずは前期末までの配置を目指して提言を続けます。

【教育費】学校プールの管理・運営について(答弁者:学務課長、庶務課長、指導室長)

Q:
 区立学校のプールは日頃教職員により塩素消毒などの管理が実施されているが、特に夏休み明けは藻の発生を含めた水質管理にご苦労されている。
 また、近年の猛暑で度々プールの授業が中止となるケースもあるため、プールの授業は前倒しして夏休み前まで、と各校へ通達してはいかがか。猛暑からこども達を守り、また、教職員の水質管理の業務負荷や塩素消毒コストも低減できると考える。
 加えて、教員の働き方改革の目的で、水質管理の外部委託も提案する。

A:
 教育課程の編成は学校の裁量に委ねているが、近年の夏の暑さを鑑み水泳指導期間を夏休み前までとする学校も増えてきており、成果と課題を整理する。
 また、水質管理を外部委託することは教員の働き方改革からも求められる取り組みであり、費用や担い手確保等の観点も踏まえて検討する。

(感想)
 屋外プールでの授業は熱中症の危険に加えてプールサイドも熱い鉄板のようになる日もあるため、危険な猛暑が訪れる時期までの終了を求めます。
 また、プールの塩素消毒コストは全校分で年間約1千万円掛かっておりますが、プールの授業終了後は消毒が不要なため、夏休み前までに授業終了すれば概ね500万円が削減できます。
 その削減できたコストを水質管理の外部委託費用に充て、教員の働き方改革にも寄与することができると期待します。