特別定額給付金の上乗せについて(江東区の現状)

自治体独自の給付金としては、これまでに品川区が区民1人あたり3万円(中学生以下には5万円)を支給することを発表して話題となりましたが、本日、千代田区がその額を大きく上回る、1人あたり12万円の一律支給を発表いたしました。(今後本会議で可決された後に予算執行予定とのことです)
 その事業内容を分析すると、千代田区の人口は23区で最も少ない約6万6千人であり、支給金額合計は約79億円となります。(事業費合計は約85億円)

 ちなみに、江東区の人口は約52万人で、千代田区同様に12万円の一律支給を実施する場合には、支給金額合計は約624億円となります。
 また、品川区同様に3万円の支給をする場合でも、支給金額合計は約156億円となります。(その他、支給するための事業費も発生します)

 ここで注目すべきは、支払いの財源となる「財政調整基金」です。江東区では、今年度当初は約221億円の財政調整基金がありました。
 その後、新型コロナウイルス感染症対策(具体的には、PCRセンターの整備、非常勤医師の採用、マスクなど消耗品の備蓄、中小企業への臨時相談窓口の設置等)により当基金を約56億円取り崩した結果、現在の残高は約165億円です。
つまり、千代田区同様の支給をした場合、本基金は大幅赤字となります。(赤字では給付できません、、、)
また、品川区同様とした場合では、本基金残は約9億円となります。

 上述のとおり、今年度は約56億円の本基金取り崩しの補正予算を組んで新型コロナウイルス感染症に対応しましたが、本基金が赤字の場合や残9億円となってしまったら、第二波、第三波が到来した場合に区民の命を守る対策を取る事ができません。

 以上より、健全なる財政運営の観点からも、現段階においては江東区としては現金の上乗せ給付は考えておりませんので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。